PILOT kakuno
僕のPILOTのイメージは正統派、洗練、高品質。
あくまでも全体的なイメージなのです。実際にはPILOTはELABOやJustusなんていうユーティリティプレーヤーを創り出し、Caplessという独創的な万年筆を製品化しています。
そんな中で、万年筆好きなら誰もが目にしたことがあるPILOTのkakunoについて書いてみたいと思います。
まず特徴的なのはそのペン先です。この手があったか!…というペン先のデザイン。
これはkakunoの透明軸のデザインです。黒軸はニッコリ笑顔、白軸はニッコリウィンク顔です。PILOT製というイメージが(良い意味で)崩壊していきます。
しかし、流石PILOT。工業製品としての工夫が沢山織り込まれています。グリップ部分は三角形です。ペリカーノあたりと同じく正しい持ち方に誘導してくれます。クリップはありません。スーツのポケットに挿すような用途は考えていないのでしょう。割り切りですね。軸は六角形です。机の上で転がりません。uniの鉛筆を思い出します。おまけにキャップの一箇所に突起が。転がり防止を確実にします。
六角形でいいじゃない。よっぽどのことがない限り転がらないよ…と言いたくなる真面目さ。でも素晴らしいですね。安価な万年筆であっても細心の心配り。このあたりがPILOTがPILOTたる所以かもしれません。
書き味もいたって普通。普通のモノを完璧に作ることがいかに大変なことなのかは、高品質なモノに恵まれた現代ではなかなか理解してもらえないのかもしれませんが凄いことです。
税別¥1,000。ランチ1食分、どうかするとそれ以下でこの万年筆が得られる幸せに感謝です。