yamanakashido’s blog

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ルノー5 バカラという名の車

ルノー5バカラ。シュペールサンク。

若い頃に所有しました。忘れられない一台です。当時の写真は無いため、ご興味のある方は検索してみてください。きっと見惚れます。

大衆車だったルノー5に1.7ℓのエンジンを載せ、外装はシャンパンゴールド、内装はベージュのレザー。デザインはマルチェロ・ガンディーニ。当時の仏車、オマケにキャブ仕様だったのでご機嫌斜めの時期が長く、駐車場と整備工場に居た時間が同じくらいだった記憶があります。

致命的だったのは暑さ対策でしょう。整備工場もルノー車には定評のあるところで、エンジンルームにかなり手を加えてくれましたが、騙し騙し乗っている感は強かったです。雨漏りもしましたね、さすがに泣きました。インパネはプラスチッキーでしたが、当時の仏車はそんなモノ。収納の蓋などはカパッという音と共に閉まるプラモデル的な造りでした。

不満はそんな程度。現代の感覚で言えば「いやいや十分酷い!」ですが。スマホはおろか携帯すら世の中には無く(正解にはショルダー型携帯はあったか?)、ゆっくりと時間が流れていた頃には許せる範囲でした。そう、不満満載で忘れられない一台となった訳ではありません。

デザインは本当にドストイク。酷い例えをするならば、当時のダイハツミラが大きくなったような直線基調のボディ。四隅にタイヤが踏ん張り、四角いライトが品良く収まります。リアの斜めに切り取ったようなデザインとテールランプが作る景色は秀抜でした。

同じく直線基調で構成される内装のプラスチッキーさも、逆にデザインの一部に感じるくらいでアバタもエクボ。対照的に不必要に太いハンドルは質感の高いレザー。丸いホーン部分にお約束のルノーマーク。何故か輸入車のマークは、今も昔もこういった部分にマッチします。上述の通りシートもベージュのレザー。厚さや大きさにも余裕があり極楽です。リアも広くて、外装デザインが単なるデザインではなく車内のゆとりに繋がっているなぁ…と感心したものです。

当時はリアスピーカーを目立たせるのが流行で、リアガラスからcarrozzeriaあたりのロゴが光っている車が多かったですね。僕は乗り換え前のS13からBOSEのスピーカーを移植しました。ロゴは光りません。この車でロゴが光ってはいけません。

九州のやまなみハイウェイでエアコンが壊れました。冬です。コートを着込んで由布院に到着。おかげで温泉宿を120%楽しめました。

某有料道路では軽自動車料金を請求されました。もちろんETCなどありませんから、有人のゲートで見た目判断された結果です。1.7ℓですからナンバーはもちろん白。しかしそれすら見落とすダイハツミラ感。まあ、それくらいダイハツミラは売れていました。

プチハイソカーなるも、本格的なハイソカーでもなく、スポーツカーでもなくMTはダルでした。…が、乾燥重量0.9tを切る車体にSOHC1.7ℓエンジンですから動きはご想像通り。タイヤは165の13インチだったはずですが、その性能を十分カバーしていましたね。今ならお世辞にもハイスペックとは言えないタイヤですが、そのタイヤが支配下に置くことの出来る性能のエンジンで、至福の時間を作り出していた時代って…。

幸せだったのです。